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2022.11.30

電子インボイスについて

インボイス制度が2023年10月1日から開始されるため、電子インボイスの活用を検討している企業が増えています。

しかし、電子インボイスについてよくわからないという方も少なくありません。

そこで、本記事では電子インボイスのメリットや注意点、日本版Peppolの概要について解説します。

電子インボイスとは

電子インボイス(E-Invoice)とは、紙ベースのインボイス(適格請求書)をデジタル形式にしたものです。

電子化により請求書の作成から送付、そして保管までのプロセスがデジタル化され、迅速かつ効率的に行えるようになります。

電子インボイスのメリット

電子インボイスはビジネスプロセスの効率化だけでなく、法的な要件への対応が可能になるなど、数多くのメリットがあります。

ここでは、電子インボイスの3つのメリットを解説します。

  • インボイス制度や電子帳簿保存法への対応
    1. 電子インボイスは、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応として有効です。
      電子的な形式でデータが保存されるため、情報の正確性と信頼性が高まり、監査や法的な確認もスムーズに行えるというメリットがあります。
      当然、企業が取引や財務情報を電子的な形式で保存することを定めた「電子帳簿保存法」にも対応できるので、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応を考えている方は検討してみてください。

  • 業務効率の向上、経理の負担軽減
    1. 従来の紙ベースの請求書作成には時間とコストがかかりますが、電子インボイスはこれらを大幅に削減します。
      インボイスの作成から送付、保管までのプロセスが電子化されるため、紙ベースの領収書を管理する必要がありません。
      また、会計システムを使用すればExcelに打ち込むといった作業も簡略化できます。
      そのため、業務効率が向上し、経理部門の負担を軽減することが可能です。

  • 保存が楽になる
    1. 電子インボイスの利点として、保管が容易になることも挙げられます。
      物理的なスペースを必要とせず、紙ベースの文書に比べて損失や破損のリスクを抑えることもできます。
      また、データベースで一元管理されるため、必要な請求書はすぐに検索し参照することが可能です。

このように、電子インボイスの導入は業務効率を最大化するための重要な手段と言えます。


電子インボイスの導入方法、注意点

電子インボイスを導入する際には、導入方法や注意点を理解しておく必要があります。

理解しておかないと電子インボイスがスムーズに導入できず取引先に迷惑がかかる可能性が高いためです。

そのため、解説する内容をよく理解しておきましょう。

  • 取引先との調整
    1. 電子インボイスの導入には、取引先との調整が必要です。
      相手企業が電子インボイスを受け入れる体制が整っているかどうかを確認したうえで、対応が可能かどうかも確認しましょう。
      送信方法やデータ形式などの確認をせずに送ってしまうと、取引先が対応できず再度送り直すといった迷惑がかかってしまいかねません。
      このような事態を防ぐためにも、取引先企業とのミーティングを通じて電子インボイスの送信方法や受け入れ形式に関する要件を明確化して、相互の調整を行うようにしてください。

  • 対応するソフトの導入が必要
    1. 電子インボイスを作成・送信するためには、対応するソフトウェアやシステムの導入が必要です。
      市場にはさまざまな電子インボイスソリューションが存在しますが、業務ニーズに合わせた適切なソフトウェアを選択する必要があります。
      必要な機能や使いやすさ、セキュリティ面などを検討し、適切なソフトウェアを選定するようにしましょう。

  • 電子帳簿保存法で規定する保存方法への適応
    1. 電子インボイスの導入には、電子帳簿保存法に基づく保存方法への適応が必要です。
      電子帳簿保存法に基づき、電子インボイスのデータ保存期間や保存形式など定められている法的要件に従う必要があります。
      また、電子インボイスのデータは、損失や破損から守るために適切なバックアップやデータの機密性と整合性を保護するために、適切なセキュリティ対策が必要なことを覚えておきましょう。

日本版Peppolについて

日本版Peppolとは

日本版Peppolは、国際的な電子取引基準であるPeppol(Pan-European Public Procurement Online)を日本のビジネス環境に適用したものです。

日本の電子インボイス(デジタルインボイス)の推進協会である「EIPA」は、デジタル庁との連携を通じて、日本版Peppolである「JP PINT」という標準仕様の策定を進めています。

Peppolは欧州連合(EU)を中心に広く普及しており、このPeppol規格をベースに、規模に関係なく多くの企業が容易に電子インボイス(デジタルインボイス)を導入できることを目指しているのです。

ちなみに、日本版PeppolであるJP PINTが普及することでより効率的で信頼性の高い電子取引環境が整備され、企業間の業務プロセスが円滑化されることが期待されます。

国内外の取引先との請求業務が可能に

日本版Peppolの導入により、企業は国内外の取引先との請求業務を効率的に行うことができます。

従来の紙ベースの請求書の作成や送付の手間が省け、電子フォーマットによる迅速なデータ交換が実現できるためです。

しかも、Peppol規格をベースにしているため、国内外の取引先とのビジネスプロセスがスムーズになり、遅延やエラーのリスクを軽減することができます。

海外の取引先が多い企業の方には日本版Peppolはおすすめです。

利用方法

Peppolは、「4コーナーモデル」と呼ばれる構造を持ち、データのやり取りが4つのコーナー(C)を経由して行われます。

売り手(C1)であるユーザーは、自身のアクセスポイント(C2)を通じてPeppolネットワークに接続し、文書の電子データを買い手のアクセスポイント(C3)に送信する形です。

なお、買い手のアクセスポイント(C3)が受信した電子データは、最終的に買い手(C4)に届けられます。

出典:よくある質問:Peppolネットワークでのデジタルインボイスのやり取りについて(概要)

ちなみに、Peppolネットワークを介して電子インボイスをやり取りする場合、利用者はアクセスポイントを介してネットワークに接続し、Peppolネットワークに参加している他のユーザーと電子インボイスをやり取りすることが可能です。

まとめ

電子インボイスには、業務効率化できる、法令に遵守した管理を行えるなどの多数のメリットがあります。

しかし、導入には取引先との調整が必要といった、注意点を理解しておくことも必要です。

本記事を参考に電子インボイスの導入を検討してみてください。

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